どんぐり家について

何かを作るため、調理するために決して急がない。

これは、どんぐり家の重要な精神です。

例えば、ここでは商品の製造を急ぎません。ここで作られる全ての味噌ペーストや唐辛子ソースなどは、1年以上の月日をかけて生産されます。しかし、多くの日本の大手食品企業で同じ物を作る際、理由があって同じように1年の月日をかけることはしないでしょう。

それはなぜでしょうか?

「どんぐり家」の精神・やり方

約50年前の日本では、商品を作るときにじっくり時間をかける事はごく普通のものでした。相手を思いやり、満足してもらえるようにもてなすという日本人の基本的かつ伝統的な考え方や価値観に基づいて、商品を作るには充分な時間が必要だったのです。

しかし現在は、生産コストや流通、収益などを考慮した上で商品を製造しなければ、企業は生き残っていけなくなりました。機械を導入し、出来る限り自動で、短時間に多くの商品を作れるものこそが求められるようになったのです。

もちろん、そのようにして生み出された大手企業の商品に心がこもっていないという事ではありません。沢山の苦悩や努力、何度もテストを繰り返し、話し合いを行った上で商品を世に出しているはずです。

逆に言えば、私たちは少人数で作業を行っているため、沢山の商品を生産することは出来ません。多くの人に満足してもらいたいと願っていますが、一度に沢山の注文を御請けすることが出来ないのです。私たちに出来ることは、じっくりと時間をかけ、私たちを知ってくれた人、一人一人を丁寧にもてなすことだけ。

それにはやはり、自分たちが納得出来たものだけを提供したい。そのためには充分な時間が必要なのです。なので、お客様が普段良く見ることが出来る商品と、私たちの商品。その味の違いをお客様に楽しんでもらえたらと思います。